「温故創新」210627 N800 伊波喜一

睡眠の カギ握るかな 蠅通じ ショウジョウバエの 遺伝子調べ                

 お昼を過ぎたあたりだろうか、急に空が暗くなった。そのうちに、激しい雷雨となった。

 遠目からでも、路上が濡れていくのが分かる。しばらく降りやまず、あちこちに水たまりが出来ていた。 

 脳の神経伝達物質ドーパミンは、いくつもの重要な働きをすることが分かっている。覚醒のほかにも学習や記憶、快い、嬉しいという感情、意欲、運動の調節など様々である。

 ドーパミンを抑える酵素が働かないと、覚醒した状態が続き、眠らなくなる。反対に抑える酵素が働くと、眠気が生じる。この酵素が種を超え、ヒトからショウジョウバエまで広く関わっている。 

 生物は体内時計を持っている。昼と夜の変化に同調し、24時間の周期で体内の環境を整える。

 生物の時計遺伝子は脳だけでなく、全身の細胞にあることが分かった。だから生活リズムが壊れたときには、まず朝の光を浴びて脳の時計を修正する。

 加えて、決まった時間に食べたり運動したりすることが大事である。 

 体内時計が夜型にずれると、朝起きれなくなる。こうなると負の連鎖で、学校や仕事に行けなくなる。 

 睡眠障害は苦しい。が、辛くとも、夜型のリズムを朝方に少しでも切り替えたい。そして一日一日を、悔いなく生き切りたい。