「温故創新」210812 N846 伊波喜一

活性化 脳の栄養 協調に 利他の発露が 生き延びる知恵      

 公園のヒメシャラを、子細に点検する。今のところチャドクガが付いている気配はない。

 暑くなると毎年2回程度、薄い膜の中に卵を産みつける。この毛先に触れるとかぶれるので、目を光らせている。 

 脳は利他の行動を取った場合に、快感を覚える。人のために尽くそうとすると、ドーパミンの他にオキシトシンセロトニンが分泌される。これらのホルモンは、心の安定を維持する。

 不安を抑えるだけでなく、良質な睡眠にも欠かせない。社会脳と呼ばれるように、人間の脳は他者と協力して何かをやり遂げる時に、快感を覚える。

 東京五輪での選手や関係者のコメントに、それがよく表れている。周りに支えられ、その周りの期待に応えようと、力を発揮した。それが、敵対主であっても「彼(女)がいたから、ここまで頑張れた」と、感謝の言葉を述べていた。

 非力な人類は、周りと協力してやり遂げることで生き延びてきた。

 樹上生活から地上生活へと移行した人類は、知恵を磨き共感能力を高め、他者と良好な関係性を築いてきた。

 弱い人類が生き延びてゆくには、他者と関わり続け、その力を借りることが先決だ。周りを尊敬し、感謝する気持ちを伝えれば、人も社会も生きやすくなるのではなかろうか。