「温故創新」210813 N847 伊波喜一

人権の 後進国と 言われなん 入管庁の 対応めぐり      

 友人からスダチをいただいた。このスダチは焼き魚に絞ると、魚の生臭さがとれて美味しい。昔の農家はこれを捨てたというが、今では貴重な品である。 

 名古屋出入国在留管理局の施設で3月、スリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が死亡した。出入国在留管理庁は10日、調査の最終報告を公表した。 

 ウィシュマさんは20年8月、名古屋入管局の施設に収容された。当初は帰国希望だったが支援者達と触れ合う中で、日本に残りたいと思うようになった。今年の1月から食欲不振、腹や胸の痛みを訴え、消化器内科を受診した。胃カメラで検査もしたが、目だった異常は見られなかった。

 3月になり自力で体を動かせず、搬送先の病院で死亡が確認された。それにしても、本人に寄り添った適切で素早い対応が出来なかったかと、残念でならない。 

 日本の入管行政は、在留資格がない外国人を原則として収容する「全件収容主義」を取っている。それに対して、入管施設外での待機を認める「管理措置」制度も、検討に挙がっている。

 確かに「運用」ではなく「制度」を考えることは、大切だ。在留資格の有無に拘らず、人を人として尊重する人権意識を持てるかどうか、日本人の意識革命が問われている。