「温故創新」210629 N802 伊波喜一

生命の 驚異なるか 免疫の レジリエンスを 自ら発揮し                 

 ゴーヤーの実が成らないと心配していたら、小さいものが2つ付いている。気づかぬうちに、自力で実をつけたのだろう。自然の持つ生命力に感動した。

 自然の持つ生命の素晴らしさに、自己免疫がある。免疫には自然免疫と獲得免疫がある。

 獲得免疫は、どんな形の病原体が侵入しても対応する。他のものには一切手を出さず、ウイルスに感染した細胞のみを探してこれを除く。そして、感染したウイルスのみを速やかに中和する抗体を作り上げる。

 つまり、自らのゲノムを無数のやり方で切り貼りし、千差万別のやり方で対抗物質を作り出している。

 驚くべきは、原始的な生物と見られる細菌の中にも、自らの遺伝子を書き換えてウイルスに対抗するものがある。

 この生命の持つ驚異的なレジリエンス(困難を乗り越える力)は、未だ人知の及ばない世界である。 

 今回のコロナワクチンは、生命の本来持つ治癒力を助ける働きをしている。つまり助縁である。

 しかし、生命自体に治そうという意思がなければ、どんなに良い薬でも効果を発揮しない。別の見方をすれば、生命力が横溢していると薬の力を最大限に無駄なく活かせる。 

 今後、生命科学と生命論とがシンクロしていく時代になるだろう。