「温故創新」210509 N751 伊波喜一

母の日に 感謝の言葉 添えんとす カーネーションの 青色不思議      

 母の日には、カーネーションを贈るのが定番となっている。

 筆者も小学校までは、母にピンクのカーネーションを贈っていた。中学生以降はしばしその習慣が途絶えていた。が、結婚してまた花を贈るようになった。

 女性の場合、花を愛でる感覚に秀でている。高価な品とはまた趣を異にする魅力が、花にはある。

 特にコロナ下にあっては一見贅沢なように思えるかもしれないが、贈り手と貰い手をダイレクトに繋ぐ贈花の習慣は素晴らしいと思う。  

 サントリーの開発した青いカーネーションが、今年も成田空港に到着した。青いカーネーションは、色の濃淡や咲き方が違う6品種を輸入している。

 南米のコロンビアやエクアドルで育て、輸入している。ネット通販で、全国5千店の生花店に計70~80万本を発送した。

 コロナ禍前の1昨年に比べ、出荷量は15%減となった。それでも、85%の人が支えていることを思うと、カーネーションの瑞々しい生命力を感じてならない。 

 コロナ下の日常は、現実との絶え間ない格闘である。飲食や観光、医療や教育は元より、全体が災禍を蒙っている。

 だからこそ、日常の中に非日常を味わいたいと誰もが思っている。他人の非をあげつらうより、ささやかな出来事を喜ぶ社会でありたい。