「温故創新」210111 N633 伊波喜一

人生の 門出祝わん 成人の コロナ体験 今後に生かすと               

 朝から陽が射さず薄曇っている。そのため、気温が上がらない。

 今日は成人式。コロナ禍で式の中止が相次いでいるが、着付けをして記念写真を撮ったりと、それぞれが思い出に残るよう工夫している。

 この日この時は、二度とめぐってこない。旧交を温める機会になることを、祈っている。 

 生物学に、動的平衡という言葉がある。人間の体は一年ほど経てば全て新陳代謝し、新しいものに変わる。その場に留まっているものは、何一つない。そのことを動的平衡とよぶ。 

 コロナ禍の私達は、国内外で往来を禁じられている。

 しかし、元々ヒトは動き回る生きものである。20万年前にアフリカに出現したホモ・サピエンスは、1万年前から定住を始めた。その間、19万年も世界を放浪し拡散した。

 つまり、ヒトの遺伝子の中には動き回る習性が潜んでいる。動き回ることで、汗をかき老廃物を出す。新たな価値に出会い刺激を受け、インスピレーションを閃かせる。

 多様な人や文化と混ざりあうことで、新たな価値が生まれる。それがヒトの個体を特徴づける動的平衡である。 

 今後の日常生活では、コロナ感染拡大を防ぐことが第一義である。同時に、それぞれの出来るところで守備範囲を拡げ、外向きに一歩踏み出して生きることが求められているように感じる。