「温故創新」210302 N683 伊波喜一

地方での 生活魅力 コロナ禍で 東京からの 移住考え           

 朝から湿度が高く、直に雨が降り出した。久々の雨に、乾燥気味だった木々も喜んでいることだろう。 

 庭のサクランボが昨日、白い花を開いた。まだ数枚でしかないが、そのうち開き始めることだろう。 

 モッコウバラの芽も、昨日までの暖かさで膨らんできている。バラの中では手入れが簡単な方だが、それでも水やりや虫に気をつけてやらねば育たない。 

 花粉の時期と重なり、その上マスクまで着けているので息苦しいが、春の芽時はやはり気持ちが高まる。

 ことに雨に包まれていると、木々の小さな緑葉が色を増し、しっとりとする。長い冬の寒さに耐えてきた草花が素顔を覗かせるようで、はっとさせられる。どの草花も自らの生を、精一杯生きている。時に備え、時を感じ、時を逃さず花開く。

 どんなに環境が変わろうと、そのリズムを崩さない。

 コロナ下で人は右往左往させられているが、草花は自ら決めた道を黙々と歩む。平凡で目立たないが、その歩みの確かさに励まされる。

 都在住の20~40代の男女1262人に地方移住への関心を聞いたところ、4割強が移住に関心を示した。コロナ禍が背中を後押しした格好だ。

 何処の地でも、自ら決めて花を咲かせていけばよいのだ。