「温故創新」210423 N735 伊波喜一

ストレスの 対応策は 聴く姿勢 個人任せ 脱却の時   

 朝から太陽が眩しい。通勤の電車を降りて駅前の通りを抜け、路地を歩く。家々に遮られて陽が直接射し込んで来ず、歩いていて気持ちがいい。風も爽やかで、幸せな気分になる。 

 コロナ下でストレスが溜まっている。蔓防や緊急事態宣言が繰り返されると、人の神経は持ち堪えられないことが分かる。

 個人の努力で解決できるうちはよいが、それにも限度がある。マグマの澱のように不安が溜まり、それが不満となって噴き出ないか案じられる。 

 これまで日本は、ストレス解消を個人の気晴らしに任せてきた。ストレスが溜まったら飲みに行く、体を動かすなど対症療法的だ。

 それがこのコロナ下で出来なくなり、誰もがストレスを抱えるようになってきた。 

 欧米では早くから、カウンセリングが盛んだ。

 個人の意思を尊ぶ事と組織の役割とが、明確である。個人を大事にすることが、組織をしなやかで強くすることを彼等は経験上知っている。だから、個人に負荷をかけ過ぎないようにしている。 

 ひるがえって日本は、一人ひとりの声なき声をどこまで汲み取ろうとしてきただろう。

 個人の努力には限界がある。だからこそ、組織を挙げてサポートする意識の共有と体制作りが、急務である。