「温故創新」210720 N823 伊波喜一

40年 高齢者数 ピークにと 介護職員 大幅不足   

 好天続きで、気温がうなぎ上りである。コロナ感染の第5波が懸念される中、熱中症に注意が必要だ。体調管理は元より、体を冷やすなど用心していきたい。 

  2040年に、全国の65歳以上の高齢者がピークになる。介護職員は280万人必要とされているが、70万人弱が不足すると推計されている。

 その原因として、介護自体の社会的評価が低いことと、有働環境の厳しさが挙げられる。介護の現場は常勤が集まりにくく、人材派遣会社からの非常勤職員で補っているところが多い。

 しかし、人命に関わる仕事であるだけに、ストレスが大きい。少ない人手で運営するとなると、肉体的にも相当きつい。 

 加えて低賃金であり、全産業の平均37・3万円より8・5万円も低かった(19年度・賞与込み)。

 その背景として、訪問のキャンセルや移動・待機時間についての未払いがある。51%は休業手当が出ない、と回答している。実際に19年度の年収では、150万円以下が7割を占めた。 

 国は介護報酬を上げる努力をしているが、利用者の自己負担がそれに連動しないようにしなくてはならない。

 歳出の無駄を点検し、介護報酬をどう捻出していけるか、与野党で協議してもらいたい。