「温故創新」210317 N698 伊波喜一

取り引きが 横ばいのまま 昨年は 戦争をする 国無くさんと            

 目を凝らすと、塀の隙間からやわらかい緑が覗いている。

 雨風に吹き飛ばされず陽に焼かれず、新緑をのばしている。その逞しい生命力に脱帽だ。 

 スウェーデンストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が、年次報告書を公表した。

 それによると、2016年~20年に世界で取り引きされた兵器の量が、5年前の11~15年と比べて0.5%減と横ばい状態状態だった。

 兵器輸出の上位5カ国のうち、米国とフランス、ドイツが輸出を増やした一方、ロシアと中国が減らした。新型コロナウイルスの影響で、軍需企業の生産・供給計画に支障が出た可能性を指摘している。 

 世界最大の輸出国である米国は、5年前に比べ輸出量が15%増えた。その結果、世界シェアも37%にのぼる。世界3位のフランスと4位のドイツも、それぞれ輸出量を44%、21%増やした。

 地域別で輸入が最も多いのはアジア・オセアニアで、日本も124%増えた。争いの渦中にある現代。対話の代わりに兵器で鎮圧しても、憎悪しか生まれない。

 仏法では多生の縁を説く。人は誰かしらと縁しながら、生きている。

 明日は我が身であると考えた時に、我が子・我が同胞に爆弾を落とせるものだろうか。