「温故創新」200930 N550 伊波喜一

燃料の 脱化石化を 推し進め 重油革命 本格的に            

 9月もあっという間に過ぎてゆく。夏から秋へと、足早に駆け抜けていく。

 世界的な脱炭素化を受けて、海運業も本格的に脱化石燃料に取り組み始めている。

 国際海運機関(IMO)は海運分野の温暖化ガス排出量目標を、今世紀末までにゼロにするとしている。達成には、燃料の9割以上を占める重油からの転換が必須である。 

 代替燃料としては、水素やアンモニアを主流とする場合と、リサイクル新燃料を主流とする場合とがある。

 日本郵船は今月、水素やアンモニアを活用して実験用の中型船やタグボートを建造する計画を発表した。 

 ところが、水素は超高圧・超低温で貯蔵する必要があるので、設備投資がかさむ。アンモニアは有毒性が強く、取り扱いが難しい。

 そこで、CO₂などをリサイクルする方法が浮上している。火力発電所などで使用されるCO₂を回収する装置を小型化して、船内に搭載する実験を始めた。 

 モーリシャスでの重油流出事故による生態系破壊も、これらの取り組みに拍車をかけている。しかし、これまでの取り組みと正反対の方向に進むのだから、その開発には莫大な時間と労力と資金がいる。 

 企業任せにするのでなく、国の強力な後押しが求められる。