「温故創新」210409 N721 伊波喜一

全国で 無電柱化 着手して 災害対策 4千キロに

 花びらが散ったかと思ったら、いつの間にかコデマリの若葉が伸びている。巡ってきた季節に合わせて、自らを輝かせているかのようだ。その清々しさに触発されて、元気に朝のスタートを切ることが出来た。 

 国交省が今後5年間の無電柱化推進計画を公表した。災害に強い「脱・電柱社会」を目指し、救助や物質輸送の要となる緊急輸送道路を重点に、全国4千キロで無電柱化に着手する。

 地表に近い場所に電線を埋める「浅層埋設」を取り入れ、コスト2割削減を目標としている。設計から完了までの期間も、平均7年から4年へと短縮するとしている。

 「緊急輸送道路」や「バリアフリー法に基づく特定道路」の着手率も、引き上げていく。

 さらに、景観向上にも取り組む。全国に89地区ある世界文化遺産周辺も、9増の46地区に着手する。伝統的な街並みが残るエリアでも、工事を進めていく。 

 安全と景観については、これまでも検討されてきた。

 明治の国造りが始まって150年、やっと日本も無電柱化に歩を進め、環境整備の基盤が整う。

 遠く奈良時代より、国造りの基礎は道の整備からであった。

 碁盤目上の機能性と路地裏の生活感覚をどう組み合わせていくか、現代人の思案のしどころだ。