「温故創新」201210 N609 伊波喜一

サトウキビ 搾りかすから かりゆしが 捨てればゴミを 有効利用       

 早朝、自転車をこいでいると、指先が冷たく痛い。この程度でも寒いと感じるが、寒さはこれからが本番である。 

  サトウキビの搾りかすからかりゆしウェアを作り、貸し出すサービスが始まった。

 サトウキビは砂糖になる汁を搾った後に、バガスと呼ばれる繊維が残る。搾りかすは、白くてふかふかになる。

 沖縄県では、年間19万トンのバガスが発生している。発生量の約90%は、製糖工場のボイラー燃料として使われている。バガスは食物繊維を大量に含んでいるが、繊維が固く食感が悪いことから、食品としてはほとんど利用されていなかった。 

 今回、バガスを糸に加工して生地にし、かりゆしに仕上げた。

 かりゆしの前ボタン近くには、ICタグが縫い込まれている。スマートフォンをかざすと、生産履歴などが表示される。

 このことで、産農家を応援することができ、地産地消になる。何よりも廃棄を減らし、環境に配慮した取り組み(SDGs)を進めることが出来る。この他にもバガスを発酵させ、さとうきびごはんの素などの食品利用を進めている。 

 前例踏襲は楽であるが、発想が固定化する。

 固定概念を疑い、壊し、再構築する。この飽くなき探求心なくして、物事は成し遂げられない。