「温故創新」200425 N417 伊波喜一

里山の 森の木立と 高い空 畑たがやす 翁ありきか

思い立って、埼玉の里山まで足をのばした。

不要不急の外出禁止をうたわれては、近所を大ぴらに歩くわけにもいかない。ここのところの運動不足で、体もなまっている。人里離れたところだったら、どうかと考えた。 

予想通り、里山はまるで人気がない。これ幸いと、小一時間、急な坂道を上ったり下りたりした。空気がヒンヤリとしていて、実に気持ちが良い。お日様を浴びたこともあり、夜はよく眠れた。 

ある国の学者が「人はいつ死ぬか」という調査をした。誕生日前と誕生日後とで、人の死亡率を調べてみた。

すると、誕生日の数十日前から死亡率は下がり始めた。そして、誕生日を過ぎると死亡率は上がり始めた。(人にとって)誕生日が近づくということは、生きる目標を身近に感じることである。誕生日が過ぎてしまうと、次の目標まで1年も待たなければならない。これは身近ではない。長すぎる。 

人は楽しみが待っていれば、困難を乗り越えられる。たとえ現状は悲惨でも、楽しみを描ければ困難に耐えられる。 

コロナの最前線で闘っている人達に今必要なことは、ささやかな明日の楽しみである。

彼らがリラックス出来る環境づくりを、早急にしていくべきではないだろうか。