「温故創新」200325 N403 伊波喜一

やると決め 動いて初めて 夢遂げん 言葉の力 前向きにあれ 

 脳は言葉による影響を受ける。一度「出来ない」と口にすると、脳がそのように行動を規制する。反対に「出来る」と決意すると、やれる方向へと脳は舵を取る。 その脳と心とは、これまた切っても切り離せない。ヒトの心の奥底には、地球誕生以来の記憶が宿されている。例えば、氷河期や火山の噴火などの気候変動を乗り越えるには、相当の情報収集と決断が必要だったに違いない。今住んでいる所を離れ、新天地へ進むには相応の覚悟がなければならない。この決断を降す脳の働きが、心に左右されるのは不思議である。

 安部首相は24日、IOCのバッハ会長と東京五輪パラリンピックを1年程度延期することを協議し、IOCで承認された。延期は近代五輪史上初めてである。開催に向けて準備してきた観光・宿泊・イベントなど関係諸機関への影響は甚大である。しかしコロナウイルスの世界的蔓延を防ぐには、苦渋だが果断の決断であろう。今後、経済的支援をテコ入れすると同時に、アスリート達が腐らず焦らず、目標に向かって進めるよう応援していく必要がある。1年後、安心で安全な環境の元、五輪が開催されることを強く祈る。