「温故創新」210712 N815 伊波喜一

失敗を 想定しない Bプラン 批判恐れず 議論深めん 

 裏のゴーヤーが育っている。ここ2カ月余り、実を生らせる様子がなかった。どうしたものかと思っていたら、爪楊枝の半分ぐらいの実が生った。

 それから2週間ほど経ったら、5cmの実に育っている。それも4個もだ。もう、感激である。 

 五輪開催に当たって、エビデンスを無視したやり方に批判が集まっている。ワクチン接種が進まず、変異株が忍び寄ってくるのに「安全で安心な大会開催」を口にする。

 専門家会議は、観客どころか開催さえも危ぶんでいた。にも拘らず、官邸からはついぞ「安全な開催の根拠」が聞かれなかった。 

 日本の政策は、完璧で完全を目標とする。もしや失敗するかも、とは考えない。考えてはいけない。失敗を前提にした時点で、その案は撥ねられる。 

 ところが欧米は、そもそも人は失敗する生きものなので、人が作った政策に誤りがあるのは当然だという考え方をする。だから、失敗を前提として次善の策、プランBを用意する。

 もし失敗したら、次の案でいこうと考えるのは当然のことである。それが結果的に、安全で安心な開催につながるからだ。 

 原案を基に修正を加える。忖度なしで、虚心坦懐に草案を練る。この当たり前の事を、官邸の皆様にお薦めしたいものである。