「温故創新」220820 N1095 伊波喜一

生きものは 持続可能と 人思う 生命の流れ 38億年    

 今年最後のブルーベリーの実を摘んだ。6月10日より2カ月もの間、朝の食卓を彩った。育つかどうかも分からない小さな苗木から、こんなに実を生らせるとは思いもしなかった。

 ブルーベリーの枝を切って水差しにし、それを鉢で育てる。そして地植えにする。上手く根づけば、育ってくる。

 そういうわけで、故郷の兄弟達に持ち返り、育ててもらっている。東京から持っていった枝から、ブルーベリーが枝を茂らせるのを想像すると、何だかわくわくする。

 35億年前に生まれたバクテリアは、新しい要素を少しずつ加えながら、私達のおなかで生きている。これはバクテリアもヒトも同じゲノムで出来ていて、同じ仕組みで生きているからこそである。

 変えずに伝えていくという流れと、次々と変わっていくという流れの両方を、生命は兼ね備えている。つまり、自然界に脈々と受け継がれてきた生命の流れに、ヒトが掉さすことは出来ない。

 そう考えると「自然を大切に」と言う言葉は、何だかそぐわない。

 38億年の昔から、ヒトは自然の一部として生き続けてきた。自然あってこそのヒトである。だから、自然のリズムを妨げず、その流れに身を置くことこそ大切である。

 持続可能な生命の流れに、ヒトもまた溶け込んでいくことが、今後は特に求められよう。