「温故創新」210331 N712 伊波喜一

フレイルの 危険高まる コロナ下で 適度な運動 人との関わり

  日中は蒸すが、朝晩は凌ぎやすい。例年より初夏の到来が早いのだろうか。汗ばむ陽気だ。 

 コロナ下の外出制限で、高齢者の身体機能や認知能力が低下し、フレイルの懸念が深まっている。

 フレイルとは虚弱のことで、要介護の一歩手前の状態を指す。世界中でその傾向が広がっている。 

 英バーミンガム大の研究チームは、12カ国でコロナ患者5700人を調査した。その結果、深刻なフレイル状態の患者はそうでない患者に比べ、死亡率が3倍高かったとする調査結果を発表した。 

 フレイルの診断基準は概ね、次の5項目。体重減少、疲労感、歩行速度低下、筋力低下(握力)、身体活動低下。このうち、3つ以上当てはまると該当する。 

 ノルウェーでは基礎疾患のあるフレイル状態の高齢者が、米ファイザー製ワクチン接種後に死亡する例が30例近くあった。身体機能の衰えが、ワクチン接種に耐えられなかったと考えられる。 

 厚労省は予防のポイントして、十分な栄養補給、運動、社会参加を挙げている。

 社会参加というと大仰な感じを受けるが、社会参加の基本は社会の出来事に関心を持ち、物事や人と関わることである。

 社会と関わることで身体能力を維持できるのは、道理である。