「温故創新」190409 N269 伊波喜一

緊張で 表情硬し 目に疲れ 連休目指し 走る日々かな 

 朝6時半の電車は、出勤前の緊張が漂っている。新聞を読む人・スマホをいじる人・眠っている人と各自各様であるが、どこかピリリとした空気が漂っている。その緊張の糸が緩んでいる所がフレッシャーズが立っている空間だ。心なしか所在なげな様子で、目に疲れの色が浮かんでいる。きっと、学生生活から窮屈な社会人生活という不慣れな環境の中で、悪戦苦闘しているのだろう。しばらくこの状態は続くが、やがて収まるべきところに収まっていく。先人はこのことを日にち薬とよんだ。言い得て妙であろう。 慣れというとあまりいい響きを与えないかも知れない。しかし、慣れほど心身のバランスを保つものもない。フレッシャーズは今、見るもの・聞くもの全てに全力投球している。まさに、未知との遭遇である。でもそれでは、身が持つわけがない。ここで、少しだけ昔の生活スタイルを取り戻し、自身の座標軸を微調整することが必要となる。幸いに4月末から超大型連休がやってくる。この機会に旧友と会い、本音で語り、素(す)の自分を取り戻すことが出来たら素晴らしい。合理だけでは割り切れない所に、ヒトの面白さがあるのだから。