「温故創新」 190414 N270 伊波喜一

忘れ雪 春の終わりに 大雪が 平成に幕 思い深まる

 平成もあと半月で幕を閉じる。その幕引きに合わせるかのように、10日大雪が降った。所によっては、20~30センチもの雪が積もった。都心でも積雪が見られた。終雪は昭和63年以来とのことで、31年ぶりの大雪となった。終雪は平成の象徴と言えるかも知れない。余談だが、終雪を表す語にはなごり雪・忘れ雪・雪の果てなどがある。いずれも、余韻の残る美しい言葉である。 さて今日、統一地方選挙後半が告示された。定数減の中、熾烈な戦いが繰り広げられている。国政選挙に比べ、市町村単位の選挙は、生活に密着した課題への取り組みが争点となりやすい。争点が万津相談所的になりかねないが、実生活を取り巻く環境の改善は、誰しもが望むところである。このことは、政治に限ったことではない。抽象的な建前論は耳に心地よい。誰かのやっていることを、批評するのは簡単である。しかし、それだけでは現実は1ミリも変わらない。現実を変えるのは、額に汗して自ら踏み出した一歩にしかない。 何のための政治なのか・誰のための政治なのか、為政者に問うのは勿論のこと、有権者も自らに問うことが、求められているのではなかろうか。