「温故創新」220624 N1065 伊波喜一

選択を 手にする権利 誰にでも 自身の権利 手放すなかれと

 窓外が薄暗い。夜明け前かと思っていたら、時計は5時をさしている。曇天の一日である。

 参議院選挙、たけなわである。自民・公明の与党に対して、野党は連合して政権奪回を掲げている。国民全体が政治を考え、政権選択をすることが出来れば何よりである。

 世界は今、ポピュリズムに揺らされている。2大政党選択というより、間隙をぬった政策や実行不可能な政策に流されやすい。その言が過激であればあるほど、心を奪われてしまう。

 特にロシアや中国を敵視して、核持ち込みを訴えているのを聞くと、人は感情が高ぶる。相手を攻め、こき下ろすことで留飲を下げる。こうなると、真面目に政策論議をしたり、官僚の意見を聞いたりすることが出来なくなる。軽重浮薄な言辞を弄ぶ人に注目が集まり、肝心の内容が吹き飛んでしまう。

 日本はこれまでの150年間、常に海外に成長のモデルを求めてきた。しかし、近代になって初めてモデルを失った時代に突入している。

 なぜなら海外は今、ポピュリズムで揺れている。イラク難民で揺れていたところに、ウクライナ難民支援も加わってくる。富の配分が十分に行き渡らず生活が不如意になると、人は不満を持つ。そして、これまでの正論が通らなくなる。

 何のために誰のために社会はあるのか、問うべきは己の志にある。