「温故創新」210226 N679 伊波喜一

二人して 築く和楽の 家庭をば 互いの声に 耳を傾け         

 久しぶりに東京は花曇りである。3月間近だというのに、今日は底冷えがしている。

 知人が明日未明、中米のコスタリカに発つ。昨年からのコロナ禍が長引き、出発が延び延びとなってきた。11ヵ月ぶりにかの地を踏み、そこで新居を構え、新しい生活をスタートする。 

 夫婦二人の生活は、始めから上手くいくものではない。

 当初二人は、赤の他人同士である。育ちも考えも感じ方も、当然違う。その二人が、一つ一つ考えをすり合わせていく中で、両方の考え方に近いものに落ち着いてくる。

 そこに至るまでには時間がかかる。 

 大事なことは、互いの考えを先ず聞き合おうとする姿勢である。互いの考えの違う点を認め合い、どうすり合わせてゆくのか。 

 人は一人一人顔が違うように、考え方も感じ方も異なる。合意形成するのは、並大抵のことではない。

 時には平行線のままということもあるだろう。そこを乗り越えるには、粘り強さと同時にゆっくりと時間をかけていくことだ。

 同時に、何でも相談できる先輩を持つことだ。風雪を経て得られた先達の知恵は、人生航路を征くための道標となるに違いない。

 先達のアドバイスを上手に取り入れ、二人で新しい道を拓いていくことを念願している。