「温故創新」240403 N1406伊波喜一

東京の 都市番付が 第2位に 知識と技術 さらに活かせと  

 朝から風が強く、庭の楠の枝が大揺れしている。台湾と西表島で大きな地震があり、高さ3㍍の津波警報が出された。四方を海に囲まれている沖縄は、車社会である。避難しようにもどこも大渋滞となった。

 英不動産会社「サビルズ」が発表した23年版「危機を乗り越え成長する都市ランキング」で、東京は前回の第5位から第2五位へと躍進した。

 ランキングは世界490都市が対象で、「経済力」「知識と技術」「ESG(環境・社会・企業統治)」「不動産」の4分野で分析し、順位をつけた。東京は経済力と不動産の規模や投資額が大きく、文句なく上位をつけている。

 知識と技術では相応の力があるものの、横の連携や縦の深めが十分とは言えない。芸術や文化の質は高いものの、都心に集中しているうえにアクセスが十分ではない。時間と経済力がなければ、その恩恵に浴することは出来ない。

 これは、教育についても同様である。その立地と文化的背景と蓄積に加えて経済的基盤があってこそ、東京の価値は高い。国内の他の都市では、とてもこうはいかない。

 人口の過密と多忙感、消費型の生活スタイルが根強い東京は、SDGsのような満足度が高いとは言い難い。危機を乗り越えるという重い命題に応えるには、根本的な変化が必要であろう。