「温故創新」240223 N1399伊波喜一

東証の 株価史上 最高値 乏しすぎるか 生活実感

 窓外に白いものが混じっている。よく見ると、みぞれ雪である。底冷えするわけである。能登で避難している人達は、いかばかりか。

 昨日22日、東証は史上最高値を記録した。89年12月の3万8915円以来34ぶりに、3万9098円を記録した。

 何しろ円相場は、1ドルが150円である。円安は企業成績を底上げする。海外投資家にとっては自国通貨を多くの円に替えられ、外貨で日本株を多く買える。

 今や半導体なくしては、1日たりとも日常生活は送れない。そのため米国のエヌビディア株など、半導体関連銘柄への投資が多く流れ込み、株価を押し上げた。日本でもそれに引きずられて高騰している。 

 しかし、日本株の実力が本当にそこまであるのか、疑問である。諸物価が高騰し、円の価値が相対的に落ちている。これで、利上げをした場合、はたして家庭経済は回っていくのだろうか。

 円高になれば、輸入は割高になる。衣食住品目の全てを輸入している日本は、それだけ物価高になる。これに、住宅、車、学資ローンなどが負いかぶさると、生活はさらに苦しくなる。

 人口の1%にも満たない超富裕層の投資に踊らされ、庶民の生活が改善するとは思えない。時代の稼ぎ頭に投資するのは当然のことであるが、同時に子育てや教育、安定した老後に投資することを忘れてはならない。元来、投資のあり方はそれが原点なのだから。