「温故創新」231005 N1309伊波喜一

何気ない 親子関係 難しく 母性と父性 両輪のよう    

 朝から風が強い。東北では大雪が降っている。夏から冬に直行だ。 

 NPO法人わかみやクラブのセミナーの招きで、今年も講演する機会を得た。テーマは「『親子関係を上手に結べない子ども達』~失敗は成功への一里塚」である。

 家庭教育の大切さは、誰しもが感じている。しかし現今の家庭は、機能することが容易でない。社会の中で支え合いの仕組みが弱まり、人間関係が希薄である。加えて、母性原理と父性原理の均衡が崩れて、母性原理に大きく傾いている。この事が家庭にも大きく影響している。 

 言うまでもなく、私達は奥底に、母性と父性の両性を持っている。母性の良さは育み、自信を与えるところである。ただそれが過剰になると、子どもの個性を呑み込み、萎ませてしまう。父性の良さは客観的で、理屈が通っているところだ。 

 ところが今、社会のあらゆるところに、母性が強く出ている。父性は姿を失い、母性が強調されている。家庭は特にその傾向が顕著で、子どもをなかなか正視眼で見ることが出来ない。客観的な視点が持てず、家庭の中で自己完結しようとすると、歪みが生ずる。

 そこで必要なことは、フラットでオープンな場である。悩みや愚痴を言い合える、聞き合える場を持てれば、心が落ち着く。心が安定して初めて、客観性も出てくる。いろとりどりは、そのために立ち上げられた。その機能を存分に発揮してゆくことを、応援してゆきたい。