「温故創新」231011 N1315伊波喜一

拙速に 事情を組まず 事進め 生活実感 乏しすぎるか     

 10月とは思えない暑さが続いている。日中は半袖で過ごしている。

 4日に自民党埼玉県議団が提出し、6日の委員会で賛成多数で可決された「県虐待禁止条約改正案」に対して、県内外から抗議が上がっている。県議団は急遽、記者会見を開き、条例案の取り下げを決めた。

 県議団団長は「留守番や低学年児童だけでの下校が虐待に当たるという認識が、日本では希薄である。今の状態が非常に危険だということを再認識し、自分の家庭を見直していただきたい」と話していた。

 自民党も「子どもだけの登下校や短時間の留守番も、禁止行為に当たる。子どもの安全が確認出来ず、保護者らがすぐに駆けつけられないような場合は『放置』にあたる。罰則は設けないものの、養護者が小学校3年生以下の子どもを放置することを禁じ、4~6年生については努力義務とする。県民には通報を義務付ける」と述べていた。

 国は働き方改革を謳っているが、そのあり様は多様である。シングルで仕事のかけもちをしていたり、遠隔介護をしていたりと様々である。彼等に共通する課題は、私的・公的な支援を十分に受けられず、その日を暮らすのに精一杯であるという現実だ。

 県議団は欧米のやり方を、日本に当てはめようとしている。しかし、そのためには、通学バスや留守宅の見守り制度など、私的な関係づくりも含め、公的な諸条件を整える必要がある。その費用を自助に頼るようでは、何のための誰のための政治かと言わざるを得ない。