「温故創新」231002 N1307伊波喜一

人生の お金の意義を 考える 蔵の財より 心の財と    

 空気がひんやりとして、秋を感じさせる。爽やかな一日である。 

 残された老後を考える時に、お金は命に次ぐ大切なものである。体が言う事を聞かなくなると、先立つものはお金である。だから、出来るだけ老後の資金を貯めようと思う。よく分かる。

 しかしそれが高じて亡くなるまで一切、金を使わないとなると、果たしてどうだろうか。すべからく、物事にはタイミングがある。そのタイミングは、金では買えない。時間でも取り戻せない。まさに、その時に経験すべきことなのだ。

 人との関係は、その最たるものである。会っておきたい人には、迷わず会っておく。あとでと思っているうちに、亡くなってしまうことだってある。だから、会うことを優先する。

 やりたいことも、後回しせずすぐに始める。やりたいことには、賞味期限がある。あとでやろうと思っても、二度とチャンスは廻ってこない。仮にチャンスがあったとしても、自身のレディネスが整っていないことだってある。だから、お金と時間と健康とを考えて、何から取りかかり、最後に何を身仕舞いするか順番を決めておくことだ。

 筆者も両親を看取り、あとに墓仕舞いと家仕舞いが残されている。どちらも容易なことではないが、子ども達に始末を頼むことは出来ない。私達夫婦で出来ることは、責任を持って片付けておく。

 そのために残された時間は、あまりにも短い。