「温故創新」230919 N1294伊波喜一

感謝して 満足する人 長生きに 意地悪な人 命短し   

 今週からは涼しくなるとの予報だったが、相変わらず蒸し暑い。  

 「人生の幸福度は、60歳から高まっていく」。そう聞いても、俄かには信じられない人の方が多いかも知れない。

 年齢と幸福度との関係を調べてみると、10代後半は68%が幸せだと感じている。少しずつ下がり始め、50代前半に63%で底を打つ。そこから徐々に上がり始め、80代前半では70%にも達する。

 後期高齢ともなれば認知機能が衰え、体も思うように動かず、病気がちにもなる。なのに、なぜだろう。

 スウェーデン社会学者ラルス・トレンスタム氏の「老年的超越」によると、80歳を超えたころから価値観が変わってくるという。物理主義的で合理的な考え方から、宇宙的・超越的な世界観へと変化してゆく。具体的な変化として、物事に楽観的になり、自らの欲望や欲求から離れ、自己中心的なところがなくなって、客観的になる。

 そして、幸せを感じている人は、そうでない人に比べて7.5~10年寿命が長い。逆に幸福度が低い人は、循環器系の病気になりやすい。クヨクヨしたりイライラしたりして、病気や事故を引き起こしやすくなる。意地悪な人は猜疑心が強く、不幸な傾向が高いとのことだ。

 知人を思い浮かべると、このことを実感する。人の上げ足を取ることに生き甲斐を感じているような人がいるが、自身だけでなく回りの人の人生も狭めている。それに気づかないのは、不幸の極みである。