「温故創新」230911 N1286伊波喜一

独善の 正義押しつけ 混乱の 国状理解 無理を通さず   

 23回目の9.11が廻ってきた。しばし、祈りをささげる。

 2001年9月11日、イスラム過激派テロ組織アルカイダによるテロで、ワールドトレードセンター北棟と南棟、国防総省本部庁舎などに、航空機が激突した。2996人が亡くなり、2万5千人以上が負傷した。

 この直後の01年から21年までの20年間、アメリカは民主化を進めるとしてアフガニスタン紛争に突入する。パキスタンイラク、シリアも巻き込み、兵士が30万人超、一般市民も約38万人が亡くなっている。戦費は少なく見積もっても、800兆円近くかかった。

 これだけの莫大な額の軍事費を使って、これらの国々に残したものは何だったのだろうか。それは、破壊と荒廃と憎悪である。米国は自説にこだわって説教し、他所の国をかき乱した。そして、いざとなったら全く責任を取らず、無情にも無辜の民を捨て去った。

 戦死した米兵は7059に対して、帰国後PTSDを発症し、自殺した兵は3万177人にのぼる。心を病み、全うに社会生活が送れない者は、その数倍にのぼると予測される。この対策に高じる費用は、天井知らずとなろう。

 自国の論理で他国の実情を括ろうとしても、無理がある。無理は歪みを生じ、焦りから判断を狂わす。安易に武力で事を決しても、誰も幸せにしない。怒りと恨みを買うだけである。