「温故創新」230910 N1285伊波喜一

大切な 未来を担う 子ども等を 特定妊婦 法の網の目   

 9月は母方の祖母の祥月である。明治生まれの、質実を伴なった生き方をした人だった。その祖母の祈りと情愛に包まれて、道を逸れずに生きてこられた。感謝してもしきれない。

 予期せぬ妊娠や若年妊娠、貧困、DVなどの理由で子育てが難しく、支援が必要とされる妊婦の事を「特定妊婦」という。児童虐待につながりやすく、2009年に児童福祉法に明記された。

 その数は年々増え続けており、10年は875人だったが、20年には8327人になっている。ただ、年間の児童虐待の発生件数から見て、この数字はかなり少な目であると予想される。

 これらの原因として、格差の拡大や人とのつながりが絶たれ、孤独から孤立していく実態がある。

 支援には児童相談所医療機関、保健所や自治体が関わっている。保健師社会福祉士等が家庭訪問し、生活保護制度や出産できる病院へつなげている。

 妊娠・出産・育児は、不安と緊張が間断なく襲ってくる。思うに任せない我が身と我が子を抱え、頼れる肉親や相談出来る人が回りにいなければ、自虐と虐待のスパイラルに誰でも陥る。

 政府は経済支援と並行して、妊婦を支えともに歩む組織づくりを、さらに拡大・充実していく必要がある。弱い立場にある人達と同苦し、並走してゆく組織づくりこそ、今求められている。