「温故創新」230819 N1263伊波喜一

暗闇に 明かり灯すか 国超えて 許し許され 曖昧認め   

 空が青い。今日だけは、この晴れた夏空に感謝したい。

 昼間、同年代の友人の葬儀に参列し、皆で見送った。人の世は、短い。何のため、誰のために人生を生きるか、改めて考えさせられた。

 内乱が続いているスーダンは、イスラム教の国である。そのイスラムの言葉に「インシャーラ」がある。直訳すると、「神が望めば」となる。決して、大仰に考えることはない。もし、時間や約束に間に合わせられないことがあっても、多めに見るということである。

 日本人なら、時間に遅れたり約束を守らなかったりしたら、胸がざわざわする。下手をすると、それこそ信用問題になりかねない。「5分前行動」という言葉が、実際にあるぐらいである。

 スーダンではそのあたりを、緩やかにとらえる。生きている以上、時間通りにいかないのは仕方のないことだ。それは、神様の思し召しであると捉えていこう。その分、他人にも寛大な心で対処しようという生き方である。

 日本人は他人に迷惑をかけないことを、美徳の1つとして考えている。それが過ぎると、ちょっとした迷惑も許せなくなる。異物や異質を排除するという考え方に、エスカレートしかねない。

 今、ほんの些細なことと思えることでも、口論から刃傷沙汰に発展することが増えている。他人の失敗や短所に批判を浴びせる前に、大らかに受けとめていく社会でありたい。