「温故創新」230816 N1260伊波喜一

快適な 生活 誰の働きで ブラック労働 見直す時と    

 台風7号は大きな被害をもたらして、日本海へ抜けていった。河川の氾濫や山崩れなど、被害の状況が明らかになるのはこれからである。 

 2024年問題で「運送無料・翌日配達」は限界になる。これは安倍政権下の「働き方改革」によって、2024年の4月から運転手に対して「時間外労働は960時間まで」という規制が始まるからだ。 

 この遠因は、1990年になされた大規模な規制緩和にある。これによって、運送事業への参入規制が緩められた。それまでは免許制であった自動車運送業が許可制に変わり、参入障壁が下がった。これがサービスの過当競争を生み、運転手の低賃金を招いた。

 例えば「送料無料」「翌日配達」は、本来なら価格に転嫁してよいものだ。それを価格に転嫁せず、その分、運転手の賃金を据え置いている。それが、長時間労働の原因となる。

 また、トラックの積載量は平均40%に過ぎない。満載になるまで待って、積載量を増やせば、それだけ生産性が向上する。だが、そうすると顧客を他の業者に奪われるので、低積載量でも配達する。

 労働環境の改善は、即刻、改善しなくてはならない。同時に、消費者の側も、クリック1つで全て手に入る生活を、見直さなくてはならない。他者を低賃金で働かせ放題して、良いわけがない。

 他者の犠牲の上に自らの便利さを追求する生き方は、もう変えていかなくてはならない。