「温故創新」230813 N1257伊波喜一

書は心 映す鏡と 先人の 創書の光 ウクライナへも    

 夜半に豪雨が降り続いたりと、不安定な天気が続いている。台風7号が、明日には日本列島に近づいてくる。大きな被害がないことを、祈る思いでいる。

 池袋の東京芸術劇場の「創書展」に、足を運んだ。鉄傘で覆われているが無機質に感じないのは、窓の外に街路樹が見えるからだろう。

 行書、草書、隷書で書かれた文字は、縦書きや横書きと多彩である。文字に絵を書き添えた「金連花」も展示してある。金連花花言葉は、「困難に打ち勝つ」である。1つ1つの作品に作家の人生観が現れているようで、味わいながら観賞した。 

 その作品展の1角に、今年6月ウクライナから避難してきた方達の作品が写真展示されていた。彼等に書道の機会を与えてほしいと、日本ウクライナ友好協会から依頼があった。それで、書道教室を開いた。

 10数名の書いたその書には、「自由」「勝利」「団結」「調和」「勝利」などがあり、彼等の願いが込められているようだった。

 また「友達」「家族」「発達」というのもあり、今彼等が最も大切にしている思いを書に込めたのだ、ということが伝わってきた。

 今回、初めて筆を持つ経験をしたウクライナの方達だが、目の前の半紙を前にして、心を開き、それに没頭している様子が伝わってきた。

 どんな状況下にあっても、洋の東西を超えて、芸術や文化の力は、1人の人間の生きる力を汲み出していくものだと感じた。