「温故創新」230525 N1213伊波喜一

校正の 原稿届く 初校印 考え整理 読んでは止まり 

 暑かったり涼しかったりで、陽気が定まらない。日中は蒸し暑い。

 ゆうパックで、JIBUN出版社から温故創新6の初校原稿が届けられた。B4版の見開きに活字が打たれていて、独特の雰囲気がある。

 自分で書いた文章だから、校正する箇所は少ないだろうと思うかもしれない。実際にはそうでない。確かに、訂正する箇所は多くない。だが、その文脈にこの言葉では分かりづらいなど考え始めると、途中で手が止まってしまう。

 校正は「はじめに」と「おわりに」から、始めた。はじめにには、ウクライナ情勢への怒りが籠っている。ロシアの軍事侵攻に対して、筆者は憤っている。そのため、感情過多になっている。

 これでは、読み手の腰が引けてしまう。もう少し、抑えた表現はないものか。そう思い直して、文章に手心を加えてみる。が、今度は文に勢いが無くなってしまう。

 おわりにには、初孫誕生の喜びが書かれている。これも、平和裡だからこそである。平和の有難さと同時に、維持し続ける難しさを考えさせられる。結局、足かけ3日かかって、校正を終えた。全てのエネルギーを抜き取られたかのような、脱力感だ。

 言葉の力は目に見えないが、人の心を根底から揺さぶる。拙著を読んでいただいた方の心に、どこか一箇所でも響いてくださることを願っている。