「温故創新」230803 N1247 伊波喜一

連邦の 民主攪乱 独裁者 成文憲法 消えさせまいと    

 米国では2020年の大統領選の結果を不正に葬ろうとした疑いで、トランプ前大統領が起訴された。これで3度目である。

 2021年1月6日、トランプ支持の群衆が連邦議会を襲撃した。この暴挙が起きたのは、トランプ氏が大統領選の結果にクレームをつけたからである。「選挙の不正があり、票が盗まれた。本当の勝利者は自分である」「投票機械が不正をした」と、複数の幹部に選挙結果を覆すよう、圧力をかけ続けた。

 また「偽選挙人」を作り出し、連邦議会に選挙の撤回を求めもした。

 極めつけは、選挙結果を確定させる連邦議会の「上下両院合同会議議長」のペンス副大統領に、結果を覆すよう再三にわたり圧力をかけたことだ。ところが、その要求にペンス氏は応じなかった。そこで、トランプ氏は巧妙に連邦議会への襲撃を暗示した。

 米国の歴史は、成文憲法の歩みと軌を一にしている。各州の自治を重んじながら、国としてまとまる時は一致団結する。その基本は、あくまで法である。この長い伝統を、トランプ氏とその賛同者は破壊しようとしている。一体、米国はどうなってしまったのだろうか。

 自身と相容れない考えを持つ人は全て敵とみなし、不平や不満を責任転嫁して相手を叩く。このような自利の生き方に凝り固まった国に、魅力を感じる人が果たしているだろうか。

 米国は国として最も大事な、「信頼」を失いつつある。