「温故創新」201111 N587 伊波喜一

米国の 支配空洞 分極化 世界の秩序 作らんかなと

 空気が乾いている。世界ではコロナの感染者が、5千万人に達しようとしている。

 日本もこれから正念場を迎える。加湿と換気に留意したい。 

 バイデン氏の大統領就任で、米国の立ち位置が模索されている。

 世界の調停役としての機能を失ったとはいえ、米国は大国である。軍事でも経済でも、今なお大きな影響を与え続けている。 

 軍事ではアジアや欧州、中東は、戦略を見直さざるを得ない。これまで軍事を米国に頼り、経済優先を貫いてきた。

 しかしこれからは、自分たちの国や地域は自ら守らなくてはならなくなる。要はそのバランスである。 

 大国は自らを利するために、自分に都合の良いように基準を変える。その分、グローバルな責任を持つ。自域内で不利益が起きないよう調整し、相手陣営とはタフな交渉で味方を守る。 

 小国は一見、大国に翻弄されるように見えながら、大きな屋根の下でそれなりの利益を享受する。こうして、世界はしばし安定を保ってきた。 

 8年間の副大統領としての職務実績を活かし、バイデン氏が大国の責務である長期的な展望と大局観をどう示すか、世界は固唾をのんで見守っている。

 米国の持つ潜在的エネルギーと影響力は、まだまだ衰えていない。