「温故創新」220830 N1100 伊波喜一

有限の 財政ならば 引き締めを 入るを抑え 出づるを絞り       

 海外に送金する必要が出て、為替レートを見る。ついでに、各国通貨の金利も見る。それにしても、円の金利の低さには驚く。バブル崩壊から30数年も経つのに、低金利どころかマイナス金利である。一体、どうなっているのか。

 一番の謎は、国の借金である。GDPの2倍の1千兆もの借金を抱えているのに、国は潰れないと豪語する。本当だろうか? 

 今の日本は、歳出の6割しか税収でまかなえていない。それはそうだ。これだけの借金を抱えたら、その金利の支払いだけでも莫大なものとなる。

 個人に例えれば、負債の支払いが生活の中心を占めるようなものだ。他に必要なものに、お金を回せない。何よりも、過剰な借金に頼った生活をしているにも係わらず、感覚が麻痺していることが恐ろしい。

 低金利だから、借金をしても構わない。返済も低金利で組んでいるから、必ず返せる。果たして、その通りにいくだろうか。

 借金は返さないといけない。それも、出来るだけ早く。負債の塵も積もると、途方もない額となる。そのツケは、若い世代に確実にやって来る。若者の未来のために子育てや年金を充実させていかなくては、国の未来はない。

 財政は無限に非ず。出づるを徹底して検証し、財政のスリム化を図らなくてならない。政策転換の英断を、切に願う。