「温故創新」220707 N1074 伊波喜一

突然の 辞任発表 英国の 言葉の軽さ 民主の重さ 

 駆け足で台風が過ぎ去っていった。東京は大風も吹かず、大雨にもならず、湿度が高いだけで済んだ。

 英国のジョンソン首相が辞任を表明した。EU離脱を進めたり、ウクライナへ支援を一早く推進したりと、行動力が目立つ首相であった。奇を衒った言動は、選挙に勝てるリーダーのうちは良かった。しかし、5月の統一地方選挙で保守党が敗北し、求心力が取り沙汰されていた。

 EU離脱後は物価が上がり、英国民の生活が苦しくなった。これはブレグジットを選択した英国民の責任であるが、拮抗したバランスを切り崩したのが外ならぬジョンソン氏である。当然の如く、国民の不満は氏に集中する。 

 そして昨年11月、ロックダウン中にもかかわらず、首相官邸クリスマスパーティーが開かれた。また、痴漢行為をした党幹部の任命責任も、「知らなかった」と言い逃れをした。実際には、官邸高官から報告を受けていた。このような言動が国民の不信に火を注ぎ、閣僚ら50人超の離反を招いた。

 日本では政治家のウソがまかり通っているが、彼我の民主の重みが明らかである。英国民は法の正義に対して、執着する。日本のように、水に流すことをしない。

 民主の暴走は困るが、なあなあにしていては世の中は変わらない。学ぶべきであろう。