「温故創新」220708 N1075 伊波喜一

演説の最中 凶弾 命断つ 民主の破壊 テロ許さじと  

 窓を開けて寝ていると、明け方は寒いぐらいである。選挙も終盤戦、候補者や支持者は、体力の限界との闘いとなろう。

 午前11時32分、奈良市西大寺町駅前の路上で街頭演説をしていた安倍晋三元首相が、背後から銃で撃たれた。安倍氏は当初長野県入りする予定だったが、急遽予定を変更して奈良市で応援演説に入った。

 男は以前、海上自衛隊に勤務しており、そこで小銃の射撃や解体、組み立てを学んでいた。凶行に使われた銃も、自家製だった。男の自宅を家宅捜索したところ銃器や爆発物が見つかり、近隣の住民に一時避難が呼びかけられた。

 容疑者は安倍氏の政治信条にではなく、安倍氏が特定の宗教団体とつながりがあると信じ込み、凶行に及んだと話している。当初その教団のトップを狙おうとしたが難しかったため、安倍氏を狙った。自分の思いを通すためには、手段を択ばない。問答無用、力で捻じ伏せる。

 しかし、テロで明るい世の中になるはずもない。なぜなら、体制が社会を変えるのではないからだ。人の心が変わらなければ、また似たような過ちを繰り返す。

 自らの心を変えなければ、相手の心に響くわけがない。この絶え間ない人間革命運動こそ、民主主義の根幹に据えられなくてはならない。

 心肺停止で運ばれた安倍氏は、医療関係者の懸命な措置にも係わらず、午後5時3分に死亡が確認された。心よりご冥福を祈りたい。