「温故創新」220202 N1000伊波喜一

投資先 GDPの 2%で 気候危機を 脱する秘訣

  夜風が冷たい。特に、朝晩は冷え込みが激しい。

 義弟が退院して、4日目になる。これまでかけてきた体への負担を、一気に軽減しようとしてもそれは難しい。体を酷使してきた分、回復にも同等の時間がかかる。

 だから、術後の回復には、時間をかけていくことが必要だ。一気に元の生活に戻そうと考えずに、体と心を労わってほしい。

 気候危機がこれだけ悪化すると、環境に負荷をかけるのは全て悪である、とする極論が出てくる。しかし、ネットゼロ(排出量実質ゼロ)炭素経済の達成のためには、世界の国内総生産(GDP)年間総額の2%を当てるだけでよい。具体的には、生態系に優しいテクノロジーとインフラへの投資を増やせばよい。

 ちなみに世界の軍事費2兆ドルは、GDPの2・4%に当たる。化石燃料への投資5千億ドルは、0.7%にも当たる。驚くべきことに政府の補助金の価値は、7%にも相当する。予算は十分にあるのだ。

だからどのような価値を持ち、どう予算を振り分けるかが問われる。 

 世界には多種の生物がいる。しかし、同族で殺し合うのは人だけである。知恵があるのにそれを生かせないとしたら、これほど不幸なことはない。

 些事を乗り越え、大きな心で支え合うことを、今のこの危機が示しているように感じる。