「温故創新」211122 N948 伊波喜一

ご機嫌に 楽しかるべし 家事炊事 完璧目指さず いい塩梅に              

 例年になく暖かい日が続いていたが、今日は一日雨である。さすがに、冷え込む。あと10日足らずで、師走を迎える。そろそろ、年賀状の図柄を考えなくてはならない。

 やり始めると、きりがないのが家仕事だ。

 範囲も広く、細かい仕事が目白押しだ。たしかに理想は、料理マスターや片付けマスターになることであろう。

 しかしこだわりすぎると、作ることや片付けること自体が目的となってしまう。快適に暮らすという目的が見失われ、いつか完璧に仕上げることを追いかけてしまう。本末転倒である。

 故立花隆氏は整理の仕方について、大要こう語っている。

 「(資料の)整理を完璧にやろうとし過ぎると、整理そのものが目的化してしまい、時間がいくらあっても足りなくなる」。整理するのは原稿を仕上げるためであり、あくまでも原稿の質を高めるための手段でしかない。

 「木を見て森を見ず」的矛盾が、ネット社会になって露わになってきている。完璧を追い求めた結果、効率化に首を絞められる。自分が敷いた・考えたレールから外れると、他者を許せない社会。この偏狭さが、日本社会を窮屈にしている。

 今一度、何のためにこのことをしているのかを、考え直す時が来ているように感じられる。