「温故創新」200215 N383 伊波喜一

あるがまま 見つめることの 大切さ 完璧求めず 自然体にと

 自分で自分を排除することをセルフスティグマという。現代は理想の自分を追い求め続けるのみならず、相手にも周りにも完璧を求める社会である。受け入れてもらえない時の落胆は、想像するにあまりある。 精神科医の斎藤 環氏は、ひきこもりの長期化の背景にセルフスティグマがあると指摘している。日本の社会は、学生運動やヤンキーなどの「反社会性」に対しては寛容である。それは反社会性を、大人になるための通過儀礼として暗黙の了解をしているからだ。ところがひきこもりなどの「非社会性」に対しては、受け入れる土壌が育っていない。社会が多様化の方向に進んでいるだけに、彼等の居場所はますますなくなってしまう。 その打開策として、氏は「マイルドなお節介」と「オープンダイアローグ」を提唱する。マイルドなお節介とは、第三者が当事者に対してこまめに声をかけ合う関係を築き、押しつけないこと。オープンダイアローグとは、相手に偏見を持たず、気軽に話し合う関係性や場を大事にしていくことをいう。 閉塞的な時代だからこそフラットな人間関係作りが求められる。新しい時代をこの関係作りから築いていきたい。