「温故創新」200505 N429伊波喜一

再校の 朱入り原稿 届きたる 声に出しつつ 手直しせんと

風爽やかな今日5日は立夏、子どもの日である。

数は少ないが鯉のぼりが泳いでいる。この風に乗って、天高くのびのびと空を翔け回ることだろう。 

親の願いは一つ、子どもが元気に自分の人生を歩いていくことである。生き方のヒントは他から与えられたとしても、自分が納得して歩めればそれでよい。

親は手を貸すだけ。決めるのはあくまで子ども自身である。 

温故創新の再校が届いた。初校ではかなり手を加えた。

改行から始まり、言葉の選択、並び替え、削除、挿入など、これでもかというほど手を加えた。ほぼ全ページにわたって朱を入れた。 

再校ではさすがにそこまではないが、言葉足らずで小難しい表現が気になる。結局、本腰を入れて読み直すこととなった。

読み返してみると、読点のリズムが微妙にずれている箇所がある。その箇所を声に出して読んでみる。よく分からない。

そこで前段から続けて読んでみる。ついでに後段まで読み通す。これを繰り返す。 

何度も声に出して読んでいるうちに、リズミカルになる。その箇所に読点を打ち直す。黙読では分からないが、音読すると自身の文体の癖に気づく。 

つまるところ、耳がよくないといい文章は書けないようだ。