「温故創新」211110 N936伊波喜一

傷無くも 疼痛続く 第3の 痛み解明 痛覚変調            

 インフルエンザワクチンを打った。コロナワクチンと比べると痛みも腫れもなく、あっという間に終わった感じだ。

 昨年はコロナ下でインフルエンザワクチンを打つ人が、少なかった。その分、免疫力が後退しているので、今年は大流行すると言われている。予防が大事である。

 体の損傷などの明らかな原因がなくても、痛みが長引くことがある。これには脳の神経回路の変化が影響していることが分かってきた。

 痛みには侵害受容性(組織の損傷)、神経障害性(神経の損傷)、痛覚変調性(痛みの発生に関わる脳の神経回路の変化)がある。

 痛覚変調性は第3の痛みと言われ、体の組織や神経に損傷がなくても生じることがある。代表的なものに、全身に痛みが生じる線維筋痛症過敏性腸症候群、骨盤の原因不明慢性痛が挙げられる。

 これらの特徴は痛みが単独で出るというより、疲労睡眠障害、認知機能障害、光や音などの刺激への過敏を伴うことが多いとされている。ある意味では、現代病と言えよう。

 ヒトは本能を避けて生きられない。本能を上手にコントロールしながら、生きている。だが睡眠や運動などのバランスが崩れると、体調調節自体が崩れる。

 ストレスとどう向き合い、上手に取り入れていくかで、コロナ後の世界の明暗が分かれるように感じている。