「温故創新」210826 N860 伊波喜一

経済の 成長モデル 転換を 大企業から 中小支援へ               

 国内のコロナ感染者が増え続けている。先週末に2万2285人を超え、留まる気配がない。9月からの新学期を控え、感染拡大が懸念される。 

 コロナ下で、経済の成長モデルが大きく変わってきている。これまでのように、大企業が世界の稼ぎ頭になる時代は過ぎ去っていく。これからは、中小企業の独自性で生き残っていく時代となろう。

 粒ぞろいの中小企業は、地域の宝であり国の宝となる。

 秘伝の味一つとってもそうなるまでには、相当の汗と時間と相応の資金がかかる。

 伝統の味や技が代々続けば、老舗となる。秘伝になるほどの味になると、それを求めて行列ができる。この老舗が中小企業の強みだ。

 大企業が儲けたお金が国民に行き渡り、全体が富むとするトリクルダウン理論。この理論の矛盾は、最優先されるのが常に富裕層というところだ。

 たとえ、世界の時価総額トップ50に日本企業が何社入ろうと、国の稼ぎが良くなろうと、国民が豊かさを感じられなければ価値がない。

 そして豊かさの価値基準は、一様ではない。多種多様な価値観があるからこそ、人は各各の取組に意義を見い出す。 

 戦後、日本は富国のために経済最優先で進んできたが、価値観の転換を図る時が来ているのではないだろうか。