「温故創新」210821 N855 伊波喜一

考えの 異なる他者を 受け入れる 日本の病理 内向き志向          

 コロナ感染が爆発的に拡がる中、パラリンピックの選手達が来日している。

 本来なら、ホストタウン挙げて歓迎したいところだが、現状はそれを許さないほど逼迫している。小中学生の見学も予定されているようだが、感染リスクがある中では手放しに喜べない。 

 五輪では、難民選手団が活躍した。男子マラソンでは、内戦下のソマリアを離れた難民がオランダとベルギーから出場し、2位と3位を獲得した。 

 日本代表選手でも、海外出身の選手が目立つ。監督やコーチなどになると、多くの指導者が海外から来ている。このことからも、エスニシティー(民族性)の多様性が実感される。 

 それに比べて官邸の動向には、日本社会の内向き志向が如実に表れていた。コロナ前のインバウンド観光の幻想から抜け出せず、集客力以外に日本の魅力を発信する言葉を持たなかった。 

 本来、ジェンダーの平等やダイバーシティーは、五輪のメインテーマになるものだ。分断のこの時に世界に向けて日本の考えを発信すれば、連帯の大きなうねりを起こせたことは間違いない。 

 人の意識はゆっくりとしか変われない。しかし一旦変わり始めると、その変化は驚くほど早い。

 負の教訓ではあるがそれを生かせば、確実に日本は変われる。