「温故創新」210619 N792 伊波喜一

障害に 悩む人への 道しるべ 少数者にも 優しい社会           

 あちこちで小鳥たちが呼び交わしている。どうも巣作りをしているようだ。樹の上ではカラスがけたたましく鳴いている。この時期は攻撃的になるので、気をつけるにこしたことはない  

 障害学は、医学やリハビリテーションに対立する理論として発展してきた。医学やリハビリでは「障害者をいかに社会に適合させるか」と考える。 

 一方障害学は「社会が障害者に適合すべきであり、障害者を自ら考え行動する「主体」として捉えている。つまり自立である。 

 自立というと誰にも依存しないと思いがちだ。しかし、私達は誰かと誰かに、何かと何かを頼らなければ生きてゆけない。

 その頼り先の選択肢が多ければ多いほど、生きる幅が広がる。それが自立を促す。 

 障害者というと、健常者が手助けする存在だと考えられている。

 しかし、障害者用に作られた駅のエレベーターを、今では高齢者や妊婦も利用している。

 つまり、障害と普通とを明確に区分することは難しい。普通の幅はそれだけ広い。

 ここは障害者という枠で括るのではなく、少数者で捉えると分かりやすい。二極対立構造で考えるのではなく、普通の範囲を広げてみる。

 少数者の幅を広げることは、それだけ生き易い社会となるのだ。