「温故創新」200914 N536 伊波喜一

功焦り 治験急き立て 副作用 開発急ぎ 後悔残す           

 朝夕が涼しくなった。日中は蒸すが、それでも陽射しが弱くなっている。夏の疲れが出る頃でもある。睡眠と栄養を出来る限り、取っていくようにしたい。 

 コロナウイルスのワクチン開発で、英製薬アストラゼネカが治験の一時中断を発表してから、一週間が経つ。

 ワクチン接種との関係は不明だが、治験参加者から横断性脊髄炎と診断された者が出た。 

 治験は3段階に分けて行われる。今回、100人以下の安全性を見る1相でも、数百人単位で見る2相でも、格段の支障はなかった。ところが、3相の数千人単位の段階で横断性脊髄炎が発症した。

 ワクチン開発は通常、10~15年かかると言われている。

 健康な人に接種するため、安全性を慎重に見極める必要がある。

 3相になると治験者の数が圧倒的に増えるため、それだけ副反応も出やすくなる。

 今後、原因究明に全力を傾けることとなろう。 

 それにしても、英国は誠実な対応をしたと言わざるをえない。

 ロシアは最終治験を待たずして、ワクチンの初承認を行った。米国も医学的な根拠を示さぬまま、ワクチン接種の可能性に言及している。

 このように人命軽視と情報操作を平然と行うものには、断固、反対の声を上げなくてはならない。