「温故創新」210514 N756 伊波喜一

相談を 気軽に出来る 友人が 国際比較 日本少なし     

 梅雨の晴れ間で、沖縄は30℃にもなっている。関東も蒸し暑くなってきた。これからの季節、食中毒には重々気をつけてゆきたい。 

 日本、米国、ドイツ、スウェーデンの高齢者を対象に、内閣府が調査した。その結果、日本の高齢者は31%が「親しい友人なし」と回答している。

 調査の結果は米国が14%、ドイツ13.5%、スウェーデン10%だった。分断の進む米国や東西格差の激しいドイツだが、友人関係が密に保たれているのは意外な感じがする。 

 「近所づきあい」では「病気の時に助け合う」が5%、「相談したりされたりする」が20%で、これも最低だった。 

 確かに近所づきあいは、希薄になっている。最低でも「向こう三軒両隣り」の挨拶は欠かさないことが常識だった時代が、遠い昔の名残だったようにさえ感じられる。

 ましてや個人情報の悪用や乱用で、世間が窮屈になってしまった。まさに、隣の人は何する人ぞである。

 高度経済成長の残像に生きる日本社会は人とのつながりを軽視し、儲けることに汲々としてきた。その限界は明かである。

 これまで避けてきた地縁やボランティア、趣味や宗教でつながる社会への転換にこそ、高齢社会を幸齢社会に変えてゆくヒントがある。