「温故創新」201115 N591 伊波喜一

難病の 克服いかに 解決す 医療の進歩 120歳に

 微かな音を立てて、枝枝からすべるように葉が落ちる。微風があるからだろうか、時折落ち葉が風に舞う。今夜は寒くなりそうだ。 

 医療の進歩は目覚ましい。私が生まれ育った昭和30年代は、アトムの時代である。科学や医療の進歩が人類を幸福にするということが、夢物語として語られていた時代だ。当時からすると、科学も医療もその進歩が著しい。 

 医療の今後の見通しだが、2025年までには初の本格的認知症薬が誕生する。30年までにはAIによる診療が主流となり、感染症の脅威から解放される。

 35年までにはほとんどのがんが、治癒可能となる。40年までには神経難病の克服、糖尿病の解決、様々な臓器が再生可能になる。

 そうなると、人類は120歳まで生きることが可能となる。

 ここで大事なことが、ヘルスリテラシーである。コロナ禍に見られる過剰なまでの不安や、その逆に過剰な健康志向を改めていく必要がある。 

 120歳まで生きるのだから、無病息災でいられるわけがない。

 むしろ、多病息災を心がけ、病を自らの個性として生きる姿勢こそ問われよう。

 古き書物には「蔵の財(たから)より 身の財。身の財より 心の財 第一なり」となる。 古人の言葉は味わい深い。